いきなり始まってすぐ終わるリュート編。
また、得られるストーリー的な情報はすべて艦長のセリフで語られるだけですし、しかもゲーム中には登場しないリュートの父の世代の話まで登場するので、いまいちストーリーが分かりづらいと思っているプレイヤーさんもいらっしゃるんじゃないでしょうか?
では、ちょっとその辺りのストーリーを整理してみます。
【リュートの父の世代】
リュートの年齢から逆算するとおよそ25年前くらいの話ということになる。
当時、モンドは27歳。おそらくリュートの父や母も同じくらいの年齢でしょう。
ちなみにハミルトン艦長はこのときぴちぴちの23歳。(w
仲間キャラで言えば、ルーファスが15歳の頃になります。
1. リュートの父(イアン)はトリニティの支配に抵抗する活動をしていた。
2. リュートの父にはモンド、ウェントという2人の仲間がいた。
*ウェントはスタッフの談話で名前のみ明かされています。
ゲーム本編には全く関わらない人物です。
3. リュートの母は若い頃、ものすごい美人で、
リュートの父イアン、モンド、ウェントにとって憧れの女性だった。
5. モンドもリュート母のことが好きだったが、二人が結婚したので諦める。
モンドはリュート父のことを尊敬していたので、最後まで二人に自分の
気持ちを打ちあけることはなかった。
渡ることになる。
6. その後、リュート父とモンドは反トリニティ活動の中で、トリニティの
兵たちに追い詰められてしまう。
リュート父はモンドをかばって死亡。
7. モンドはこの一件で反トリニティ活動の限界を痛感した。
モンドは活動を辞めて、トリニティの内部で働くことになる。
*単純にトリニティに就職したのか、あるいは仲間たちの情報を売ったりしてトリニティ
に寝返ったのかは不明。
リュートが生まれる。
この子がまさか将来、ニートになるとは誰も予想していなかった。
9. モンドはトリニティ内部で実力を発揮し、順調に出世していく。
時期は不明ながらも、トリニティの警察部門のトップに就任。
*反トリニティ活動をしていたモンドがトリニティの中で出世できるとは意外ですね。
それだけモンドの手腕が優れていたということでしょう。
?. 小さなリージョンであった「ネルソン」は、トリニティの実力支配に
抵抗するため、艦隊による威力活動やトリニティ幹部の監視などを
続けていた。
トリニティは素直に従わないネルソンを“リージョン海賊”と宣伝し、
リージョン社会での孤立を図っていた。
10. 時期は不明だが、モンドが何かしらの「司令官」の座に就任。
11. モンドは司令官、そして元警察部門トップという地位を利用して、
「ワカツ」が反トリニティ活動をしているという罪をでっちあげる。
12. モンド、トリニティの軍隊を動かしてワカツを滅ぼす。
ワカツに自分の秘密基地を作り、グレートモンドの開発を始める。
モンドはこの基地やグレートモンドを使って、トリニティ(つまり
リージョン全体の政治)を内部から武力支配するつもりだった。
(ハミルトン艦長の予想)
13. トリニティ・ラムダ基地にいた執政官ヤルートが、変態趣味がバレて
クビになる。
その後任として、モンドがラムダ基地の新執政官に着任する。
に渡せなかった「天使のブローチ」をエミリアに渡した。
ここで感傷に浸り、そしてブローチを手放したことで、モンドは自分に対して過去
との決別を宣言したのだと思う。自らの大いなる野望を実行に移すために。
15. モンドはトリニティの命令として、シュライクの中島製作所に人型メカ
の開発を禁止する。
*モンド自身もワカツの秘密基地で人型メカ「グレートモンド」を作っていたため、
人型メカのノウハウ(=弱点などの工業知識)が世間に流通するのを防ぐため。
*この結果、中島製作所では中止になった人型メカの代替案として「零式」が誕生する
16. 25歳になったリュートはそろそろ自立しようと、家を出る。
17. リュートはオウミのレストランで偶然、ハミルトン艦長と出会い、
父やモンドにまつわる過去の話を聞かされる。
18. ハミルトン艦長率いるネルソン艦隊ビクトリアはモンド基地の襲撃を
計画し、なんとなくの流れでリュートも誘われ、ノリで参加。
19. リュートたちはグレートモンドを倒し、モンド基地を破壊。
この戦いの中でモンドは死亡する。
【エンディング】
20. リュートとネルソン艦隊は、モンドのトリニティ転覆(=リージョン
政府転覆)を未然に防いだことになり、
つまり、リュートたちはトリニティを守ったことになる。
21. トリニティはこの件でリュートやネルソンに感謝の気持ちを示す。
トリニティはネルソンに対するこれまでの政策を改め、和平交渉の席を
設ける。(ネルソンの軍事力にビビった?w)
ネルソン側もこれを了承。
*ネルソンは艦隊を使って反トリニティ活動をしていましたが、これはトリニティを
倒すためではなく、弱小国だからと侮られないための活動でした。
そのため、条件さえ良ければトリニティとの和睦もやぶさかではありません。
22. リュートは『トリニティ特別顧問』という肩書を用意され、
特別顧問会議に招かれる。
*国家であるネルソンはともかく、なぜリュート個人にまでこんな破格の待遇が用意
されたのかは謎w
まぁ、リュートは父親のことなどもあって、反トリニティを掲げる人たちの間では
実は有名なのかもしれない。
トリニティはリュートを特別顧問として取り込むことで、
反トリニティの活動家たちの沈静化を狙ったのかと予想されます。
*たぶん『特別顧問』という肩書は名誉職で、実質的な権限は何もないと思うw
リュート 「何もしないでお給料もらえるなんて、良い仕事見つけたぜ♪ (~▽~*) 」
「モンドより最低なこと言ってる… (~Д~;) 」 艦長
――と、このようなストーリーでした。
そう、実はリュートのしたことってトリニティを守る行為だったんですね。
リュートの父やネルソン艦隊が反トリニティ派であることや、
ラスボスであるモンドがトリニティの幹部であること、
また他の主人公のシナリオでも比較的トリニティが悪徳な企業であることなどから、
つい、「リュートは悪徳企業トリニティをやっつけたのだ!」と勘違いしそうになりますが、実際はその全く逆だったというわけですねw
つまり、リュートは父が命をかけて守った親友であるモンドを殺したことになり、
さらにこの事件で一番得をしたのは、まさに父の命を奪った相手であるトリニティ。
という、良く考えるとまったく“救いのない結末”になっています。
これ、リュートの父や母は息子のしたことをどう思っているんでしょうかね?(~ー~;)
まぁ、トリニティが崩壊すればリージョン界は大混乱ですので、
世界の平穏を守ったという点では間違いではないのですが……。
そもそも、モンドは悪人だったのだろうか?
リュートがやったことは、結果的にトリニティを助ける行為だった。
つまり、リュートの父の意思とはまったく逆のことだったと言えます。
サガフロ世界におけるトリニティとは、全世界の政治・経済・軍事を牛耳る、絶対的な権力の象徴なわけです。
三権分立なんて知らねーよ、ってことですねw
なので、トリニティにとって都合の悪いものは簡単に握りつぶしたりするし、
トリニティが開発した技術として民間に出回っているものは、実は超古代文明の技術を流用した、いわゆるパクリ技術。そういうパクリ商品で暴利を貪っている。
そういう企業ですから、本来ならトリニティを倒す方が物語的には正義っぽい。
だとすれば、もしかしたらリュートは間違ったことをしてしまったのか?
もしかして、リュートに倒されたモンドの方が本当は善い人だったのでは?
――っていう疑問が浮かんできちゃうわけです。
というわけで、
私的にはモンドはそんなに悪人じゃないのでは?って気がするんですよね。
リュート自身も初対面のモンドのことを「話の分かる人」と好意的に見ていますし、
しかもその“好意的な印象”はゲーム中で一度も明確に否定されることはなかったわけです。
ハミルトン艦長からモンドの話を聞いたときも、
リュートは「モンドめ。よくも俺の親父を裏切りったな!」とか、
「良い人だと思ってたのに騙したな!」とか、
そういう『“好意的な印象”を捨てて、モンドに敵意を抱く』という明確な描写
は結局本編中では一度ありませんでした。
つまり、リュートはモンドを倒したその瞬間まで、特に彼を悪人だとは思ってなかった可能性もあるのです。
じゃあ、なぜリュートはこんな戦いに参加したのか? って疑問も新たに出て
きますが、
それは“なんとなく、その場のノリ”でしょうか(ぇw
まぁ、“ノリ”と言うと随分軽く聞こえちゃうのでアレですけど、
父親がやっていた反トリニティ活動に対しケジメを付けなきゃいけないとか、
父の親友モンドが暴走しているなら、それを止めるのは俺しかいないとか、
そんなことを思ったんじゃないでしょうかね。
なぜリュートが「モンドは悪い奴だ!」と名言するシーンが無いのか。
単純にリュート編が短いからそういうシーンが無かっただけとも考えられますが、
もし敢えてそういうシーンを作らなかったのだとしたら、
モンドが悪人か善人かは、敢えて曖昧なままにしたシナリオだったと言えます。
モンドはリュートの父との志を忘れていなかった、かもしれない
モンドはリュートの父イアンが死んだことをきっかけに、反トリニティ活動の限界を悟り、活動を辞めてトリニティ側に移ったことになっています。
当然、多くの人が気付いていらっしゃるでしょうが、このモンドの行動には2通りの解釈ができます。
1. 自分も死ぬのが怖くなって、ビビッてトリニティ側に寝返った。
2. 外部からの抗議活動では意味がないので、
トリニティ内部に入ることで内側からトリニティを変えようとした。
普通に考えても、これは(2)ですよねw
モンドの性格は(1)って感じじゃないものw
つまり、モンドはトリニティの不正を止めようとする反トリニティの意志を、トリニティに入ってもなお抱き続けていた可能性が高いのです。
自分のために死んだ戦友イアンのためにも、どんな手段を使ってでもモンドは自分の目的を成し遂げようと考えていたのかもしれません。
決して善人ではないモンド
その一方、モンドは決して善良な人間ではありませんでした。
・ワカツを滅ぼしたり、
・中島製作所の人型メカ開発を中止させたり
こういったやり方は、まさにトリニティそのものです。横暴ですね (~ー~;)
つまりモンドは、
自分の目的のために必要なことならどんな犠牲も厭わない冷徹な性格だったと言えます。
「大いなる目的のためには多少の犠牲はやむを得ないのだ」とか言っちゃうタイプですね。
しかも、その犠牲を最小限にするための努力はしないので、なんだかんだ恨まれてヒーローに倒されるタイプの悪人です(ぇw
しかし逆に考えれば、やはりモンドにはそういう犠牲を払ってでも成し遂げたい目的があったと言えます。
単に私腹を肥やしたいだけなら、そもそもワカツや中島製作所をイジメたって、恨みを買う以上の利益は得られません。“私腹の稼ぎ効率”が悪そうですw
モンドはトリニティ内で執政官という地位まで昇り詰めていますが、
同じく執政官だったヤルートは自分の基地の中にハーレムを使って毎日ウハウワだったわけですよ。
それを考えると、モンドが単に私腹を肥やしたいとか権力を握りたいだけなら、既にそれを達成できる地位まできています。
秘密基地やグレートモンドを作る必要なんか全くないというわけです。
エンディングこそ、リュート編で一番面白いところ
つまり、モンドは 「やり方は間違っていたけど、イアンと目指した志は忘れていなかった」。 そういう人物だと私は思います。
で、ここからがリュート編のストーリーの真に面白いところなのですが、
父ちゃんの亡くなった親友とはもちろんモンドのことです。
*と思わせておいて、実はウェントのことでした。
とか言われたらビビっちゃうねw ウェントの人生に何があったんだよ、っつってw
リュート母はイアンとモンドが今でも友達で、あの世でもう二人仲良くやってるだろうと言っています。
つまり、リュート母はモンドのことをイアンや自分たちを裏切った悪者だとは思っていないということです。
リュート母にとってモンドとは、亡きイアンの志をいまだに持ち続けているただ一人の人物で、
そして別の言い方をすれば、25年前の思い出に取り憑かれている哀しい男とも言えるわけですな。
そんなモンドを自分とイアンの息子であるリュートが倒してしまった。
リュート母は墓参りで父イアンに何と報告するのでしょうか?
「私たちの青春が終わったね」と、モンドの受け継いでいたイアンの志が失われたことを少し寂しく思うのか。
「誰かがモンドのバカを止めなきゃならなかった。うちの息子で良かった」と、25年の過去に縛られたモンドの暴走をリュートが止めたことを嬉しく思うのか。
という、素直に喜ぶでもない、ただ悲しむでもない、何とも言えない感情がね、母ちゃんの胸の中にはあるんじゃないかと思うわけです。
母 「乙女心は複雑なんだよ (~ー~*) 」
艦長 「分かるぅ~ (~▽~*) 」
結局、リュートのしたことは正しいことだったのか?
でも、リュートは今回、結果的にトリニティを守ることになってしまった。
これを母はエンディングのセリフでこう言っています。
母 「お前も少しは人様の役に立ったってことさ」
そう、リュートのしたことは世間的に考えると“良いこと”だったわけです。
トリニティは悪徳企業なので、私的には是非ともモンドに協力してぶっ潰してやった方が良かったんじゃないかと思うわけですがw
でも、良く考えてみると……、
トリニティの政治下にあっても、サガフロ世界の住人たちは皆それなりに幸せそうに暮らしているんですよね。
サガフロ世界を隅々まで冒険したプレイヤーさんなら分かると思いますが、そんなに悲惨な状況になってるリージョンってどこにもないのです。
一番悲惨そうなリージョンはクズ鉄を売って生活しているボロかな?
でも、あのリージョンでさえ、人々はたくましく生きています。
っていうか、ボロが貧しいのはトリニティよりもカバレロのせいですw
カバレロを滅ぼさねばw (~▽~;)
革命や救世主が必要なほど追いつめられてないのですw
そんな状況ですから、モンドみたいに「どんな犠牲を払ってでも革命を!」という考え方はある意味、平穏に暮らしているサガフロ住人にとっては“ありがた迷惑”なのかもしれません。
それよりは、多少トリニティが私腹を肥やしていても、世の中が平和な方が良い。
そういう意味で、リュートが未然にモンドの革命計画を潰したことは「人様の役に立った」と言えるのでしょう。
実際、反トリニティの最大手だったはずのネルソンも、
モンドに協力してトリニティを潰すより、
モンドを倒してトリニティに恩を売る方を選びました。
ネルソンにとって最大の目的はトリニティを倒すことではなく、
ネルソン住人の幸せな生活だったからだと思います。
もしかしたら、モンドやリュートの父イアンが反トリニティ活動をしていた頃ってのはもっと状況がヒドくて、本当に革命が必要な状況だったのかもしれません。
でも、25年たった今では、トリニティの支配下でもわりと平穏な生活ができるような時代になっていた。
そういう風に考えると、やっぱりモンドは亡き親友への思いに縛られた哀しい男だったんじゃないかなと思うわけです。
グレートモンド
グレートモンドは一人乗り用の人型メカ。
つまり、モンドは最初から一人でトリニティと戦うつもりだった。
モンドに味方はいなかったし、モンドは誰のことも信用できなかったってことなんだ。
仲良し3人組のもう一人「ウェント」はどこに行ったのか?
モンド、イアンともう一人、反トリニティ活動で仲の良かった人物「ウェント」
彼はどこに行ったのか?
ウェント = ルーファス だったら面白くね?w
モンドたちが反トリニティ活動をしていた頃、
モンドは27歳。 ルーファス15歳。
ルーファス 「俺だってもう15だ。戦う覚悟はできてる!」
モンド 「ひよっこが、口だけ一人前だな」
イアン 「元気の良いクソガキじゃないか」(笑)
なんかそんな感じでね。
革命の戦士2人と、それに憧れる少年、みたいな関係かもしれん (。-`ω-)フンス
その後、革命戦士イアンは死に、モンドは何も言わず革命軍を裏切ってトリニティ側に寝返るわけだ。
裏切られて一人きりになったウェント少年は、モンドへの憎しみを燃やし、流れ流れてグラディウスに辿り着くという筋書き。 どうこれ?w